堤先生の子供の栄養学

相模女子大学栄養学部教授 堤ちはる先生の子供の栄養学コラム全5回シリーズ

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  • 第1回 賢いママの『無添加』と『味付け』
  • 第2回 大人と一緒 簡単離乳食
  • 第3回 手づかみ食べはなぜ大事なの?
  • 第4回 離乳完了後の食事はどうするの?
  • 第5回 子どもの偏食の捉え方

第2回  大人と一緒 簡単離乳食

icon 離乳食作りは大変!

 「離乳食は自分で作ってあげたい」と腕を振るうお母さん、素敵ですね。しかし、ご自身の食事はいかがでしょうか。料理に自信がなかったり、忙しかったりすると「離乳食を作ったら、もう、自分の食事まで手が回らないから、カップ麺で済ませよう」という方も時に見られます。こんな時には、どうしたらよいでしょうか。

icon 離乳食を特別な食事ととらえないで

 離乳食は、大人の食事に比べてやわらかい、小さく食べやすい、薄味であるなどの特徴はありますが、特別な食事ではありません。これまでは、例えば大人の食事に「今晩はチキンクリームシチューを作ろう」と決めたら、鍋に水とじゃがいも、にんじんなどの野菜を入れて、それらが軟らかくなったら野菜と煮汁を少量取り出して、乳児が食べやすいようにつぶして5、6か月児の離乳食を作ることがありました。それから鍋に鶏肉を加えて大人が使用するシチューのルーの半分を溶き入れ、加熱後にその一部を取り出し、肉や野菜をつぶす、切るなどして、7、8か月児に食べやすくして離乳食を用意しました。それから残りのルーを加え、必要に応じて牛乳などで薄めて月齢の進んだお子さんの離乳食を作る、いわゆる「大人の食事を作りながら取り分けて離乳食に」との考え方が多かったのです。

icon 離乳食から大人の食事に展開

 例えば「離乳食にスープを用意しよう」と思ったら、始めから鍋に多めに作っていきます。離乳食の分を取り分けたら、元の鍋に具を足したり、調味料を加えたりして「離乳食から大人の食事を」作ってはいかがでしょうか。これはまさに発想の転換です。

icon 毎日の食事を難しく考えない、でも振り返りを

 毎日、食べること(食事)は繰り返されます。いつも栄養バランスのとれた食事が用意できればそれにこしたことはありませんが、乳幼児の親御さんの中には、毎回の食事に気を遣うことは大変な方もおられましょう。そこで、提案です。例えば夕食に何を食べようかと考える時に『そういえば、今日は朝と昼ご飯で野菜をほとんど食べていなかった』と振り返れば、夕食は野菜たっぷりの料理にしようとするのではないでしょうか。“ほんの少しの振り返りの積み重ね”が、お子さんをはじめご家族やご自身の健康づくりの基礎となることを改めて考えてみたいものです。

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