取材レポ001:「株式会社にんべん 大井川事業所」
静岡県焼津市にある「にんべん 大井川事業所」では、全国から届けられた鰹節の選別が行われる。鰹節職人によって作られた「鰹節」に、目利き職人が等級をつけるという作業だ。
実はこの目利き職人、3名しかいない。
にんべんでは、年間約10万本(原料節含む)の「鰹節」を取り扱う。その目利きを全てこの3人が担っているのだ。選別は、天気の良い日にしか出来ないため、1日に見る本数はだいたい約500本。
「カン、カン、カーン」。
熟練の目利き職人は、ひとつずつ丁寧に鰹節の音と手触りで、「鰹節」の質を見極めていく。
音は中の割れや空洞を確かめるため。手触りは脂の乗り具合。
素人には全く違いのわからない音や手触りの違い。
「鰹節は選別が命。いいものがわかれば、名を落とさない」と、目利き職人の塚本さんは言う。
この目利き力が、300年以上続くにんべんの信頼を支えているのだと思った。
2015.7.19