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かつお節塾

鰹節が出来るまで

日本の伝統食品「鰹節」。職人の経験と勘による技術が工程の要所に受け継がれています。

日本の伝統食品「鰹節」

水揚げ

 漁獲されたカツオは近海のものは水氷で水蔵します。遠洋のものは凍結などにより、超低温で急速に冷凍し、マイナス30~50℃の冷凍庫に保管して持ち帰ります。
鰹節に向くカツオは、本節で4.5~6.0kg・亀節で2.0kgとなります。それ以上大きくなると、芯まで乾燥させるのが困難になります。
生食用と違い、脂肪分が多いものは鰹節に不向きで、生肉中の脂肪含有率が1〜3%前後のものが最適とされます。

水揚げ

生切り

 カツオは頭を切り、内臓をとり除き、水洗いした後3枚におろします。更に血合い部分を境に背側と腹側とに切り分けることで1尾より4本(背節2本・腹節2本)の節が作られます。
背節は雄節(おぶし)、腹節は雌節(めぶし)とも呼ばれます。

生切り

籠立て

 生切りしたカツオは煮籠(にかご)という金属製の籠に1本ずつ丁寧に並べていきます。
単純に並べられているように見えますが、ねじれていたり曲がっていたりしたまま煮熟すると、形の悪いものが出来上がってしまいます。並べ方にも年期のいる重要な作業です。
籠立ての作業は、原魚の最終チェックをする役割も果たしています。

籠立て

煮熱

 籠立てを終えた煮籠は、8~10枚重ねられウインチで釣り上げ、摂氏75~98℃の湯で60~90分ほど煮熟します。温度や時間の差は鰹の魚体、鮮度に応じて職人が経験で決めていきます。
100℃にしないのは沸点まで温度を上げると、釜底より大きな泡が立ち上がり、節が動揺して煮くずれがおきやすくなるからです。
長時間じっくりと煮熟することで良く肉のしまった生臭さ味などの癖がない、旨味に富んだ上等な鰹節が出来上がります。

煮熱

骨抜き

 煮熟を終えた後は水を張った「骨抜き盥(たらい)」と呼ぶ水槽に入れ、皮・ウロコ・皮下脂肪・汚れなどを取り除きます。さらに1本ずつ手作業で身を傷つけないよう骨を抜いていきます。
皮を全部はぎ取らないで残すのは、次の工程の焙乾時に身くずれを起こさないためと、皮にできるシワの状態が枯れと脂分の含み具合、つまり乾き具合と品質を判断する目安となるからです。

骨抜き

水抜き・焙乾

 焙乾とは燻(いぶ)すことで、何回も繰り返し行います。薪にはナラ・クヌギ・サクラなどが一般的に使用されます。
骨抜きを終えた段階の節は、68%と鮮魚とほぼ同じ水分を含んでおり、ここからあの堅い節に仕上げていくために乾燥させていきます。まだ水分が多いので保存性は低い状態です。
最初に行われる焙乾を「一番火」といい、「二番火」以降とは区別して、特に「水抜き焙乾」と呼ばれます。

水抜き・焙乾

修繕

 1番火の翌日、骨抜きなどで損傷した部分を修繕します。
身が欠けたり、傷がついたまま次の工程に進むと、欠損した部分から身割れがおきたり、欠損部分が拡大する恐れがあるので、それを防ぐために行います。
煮熟肉と生肉を、2対1の比率(産地によってはこの比率が異なり、また更に裏ごししてから使う)で混ぜ合わせたものを使用します。

修繕

間歇焙乾

 修繕を終えたものはせいろに並べてもう一度、焙乾します。一気に焙乾すると表面が乾くだけで中の水分が取れにくいので何度も休ませながら、繰り返し行います。
(本節で十~十五番火)
この作業で水分は28%程度まで低下します。焙乾の終わった節の表面は燻煙中の煙成分(タール)に覆われて黒くなり、表面がザラザラとしていることから「荒節(あらぶし)」あるいは「鬼節(おにぶし)」と呼ばれます。荒節をそのまま削ったものも一般的に流通しておりますが、カビ付けをしていないためこの段階では「発酵食品」とは言えません。
焙乾の効用は水分を抜くだけでなく、燻製による酸化防止や香味が加わることで鰹節の旨みを引き出すのにも一役買っています。

間歇焙乾

削り

 焙乾工程を経た荒節(鬼節)を半日ほど日乾し、2~3日放置しておくと表面が湿気を帯びて柔らかくなります。それを形を整え、カビがつきやすいように表面のタール分や滲み出た脂肪分を削り落とします。
削り上げた節は裸節(はだかぶし)または赤褐色なのでこれを赤むきと言います。

削り

カビ付け

 裸節を2~3日干し、安全性が確認されている優良鰹節カビ(特許取得済み)を植菌し温度、湿度が管理されている室(むろ)で貯蔵します。
夏場で6〜10日ほどで最初のカビが付き、これを一番仕込み(一番カビ)と言います。
カビを節全体に付けることにより、カビが成長する過程で節の中心から水分を均等に吸収して乾燥してくれます。
またカビ付けは微生物の働きにより発酵・熟成する効果があります。さらにカビが節の表面の脂肪分を分解してくれるため動物性食品でありながら脂のない澄んだ透明な「だし」がとれるという特徴を持っています。

カビ付け

日乾

 カビのついた節を、戸外に広げたムシロ等の上に並べて日に干します。日乾された節は、ブラシを使って一本一本丁寧にカビを払い落とします。さらに水分を抜くためにカビ付けと日乾を交互に3~6回繰り返します。回数は魚体の大きさなどを考慮して職人が長年の目利きで判断しています。
日乾時の注意点は、カビつけが進んだ段階の節は、雨が一滴でも落ちると斑点になって痕が残ってしまいますので、天気には常に注意をはらって作業します。

日乾

本節・亀節

 以上の製造工程にはおよそ120日間を要し、5kgのカツオが本枯節になると800~900gになります。(重量比で約1/6)
本枯節になると最終的な含有水分は12~15%まで低下し、節同士をたたき合わせると、カーンと堅い澄んだ音がするのが特徴です。

本節・亀節

完成

職人による確かな目で選別を行い、基準を満たしたもののみ出荷されます。

完成

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