企業情報沿革
創業者
にんべんの創業者・初代 髙津伊兵衛は、1679年(延宝7年)に勢州(現三重県)四日市で生まれました。
1691年(元禄4年)に江戸に上り、日本橋小舟町の雑穀商「油屋太郎吉」で年季奉公をしました。
そして、1699年(元禄12年)20歳のときに日本橋四日市の土手蔵(現日本橋一丁目野村證券の本社付近)で、戸板を並べて鰹節と塩干類の商いを始めました。この年をにんべんの創業年としています。
その後、1704年(宝永元年)、小舟町に鰹節問屋を開業。翌年には伊兵衛と改名し、屋号を「伊勢屋伊兵衛」としました。1720年(享保5年)、日本橋瀬戸物町(現 室町2丁目)に鰹節の小売の店を出しました。現在の本社位置になります。

社名の由来
1705年(宝永2年)初代伊兵衛は、店の屋号を「伊勢屋伊兵衛」とし、暖簾印(商標)に伊勢屋と伊兵衛のイ(にんべん)をとり、商売を堅実にするための曲尺の¬(かね)と合わせて、「カネにんべん」としました。江戸の町民たちは、「伊勢屋」のかわりに、誰いうとなく「にんべん」と呼ぶようになりました。にんべんの社名は、江戸町民によって命名されたものです。

「ミツカネにんべん」は、にんべんに古くから伝わるもので、3つのイ(にんべん) を表しています。
1つ目は 鰹節を使うお客様
2つ目は 鰹節を創る人
3つ目は 鰹節の商いする人
この3つの信頼関係ができたときに商売をさせて頂けるという考えを大切にしていま す。持続可能な社会という視点からも現代社会に合致した考え方でもあると言えます。

受賞
1979年(昭和54年)第18回農林水産祭において、天皇杯を受賞いたしました。
受賞の理由は、「かつおぶしフレッシュパック」を開発し、その製法を広く開放し、鰹節の需要を増大させ、業界の発展およびカツオ漁業の経営安定化に貢献したことによるものです。

年表
江戸時代
西暦(年) | 年号 | できごと |
---|---|---|
1679 | 延宝7年 | 3月17日初代伊兵衛、勢州四日市にて生まれる。幼名を伊之助という。 |
1691 | 元禄4年 | 初代伊兵衛 若干12歳で江戸に上り、日本橋小舟町一丁目の雑穀商「油屋太郎吉」で年季奉公をする。 |
1697 | 元禄10年 | 初代18歳の頃には、忍耐強く誠実、商才に優れた実力を買われ、同輩や先輩を追い越して、京大阪に上るまで出世した。 |
1698 | 元禄11年 | 初代の活躍ぶりが次第に嫉妬され、番頭・幹部などより嫌がらせを受ける。また、初代の活躍で店が繁盛するにつれ、主人が贅沢・華美に溺れだしたことに対し、諌めて争うことが数度あり、それが主人の不興をかい、遂に全くの無一文で油屋を辞した。 |
1699 | 元禄12年 | 初代20歳 日本橋四日市土手蔵(現在の野村證券本社付近)で、戸板2~3枚を並べ「鰹節・塩干類」の商いを始める。この年をにんべんの創業年とする。また、初代の誕生日3月17日を、創業記念日とする。 |
1704 | 宝永元年 | 寒暑の中、食うものも食わず苦労を重ね、5年間で200両を貯え、当時江戸最大の問屋街として豪商たちが店を並べる小舟町三丁目に、本格的な「鰹節問屋」を開業した。 良品廉価の商いを行い、世間の信用も厚く商売は繁盛し、新進商人の英傑とまでいわれた。 |
1720 | 享保5年 |
瀬戸物町(現・室町)に移転し、本店とする。 ![]() 「現金掛値なし」の看板を、初代自ら大書する。 ![]() |
1749 | 寛延2年 | 三代目髙津伊兵衛を襲名。加賀前田侯をはじめ、諸侯の乾物御用を請ける。 |
1760 | 宝暦10年 | 宝暦の大火の罹災者に餅を寄贈する。筑前黒田侯より紋を賜わる。 |
1814 | 文化11年 | 六代目当主に就く。「江戸買物独案内」(国立国会図書館所蔵)に、伊勢屋伊兵衛鰹節塩干肴問屋として紹介される。 |
1830 | 天保の頃 |
銀製の薄板で作られた商品券を発行する。徳川時代の末期に発行された商品券の中で最古のものとされる。[1932年発行の「平凡社 大百科事典第13巻」より抜粋] ![]() |
1837 | 天保8年 | 七代目当主に就く。大田蜀山人、狩野栄川などの文化人と交友し、国宝級の名品を多数所蔵。名実ともに江戸の大商人の地位を築く。 |
1849 | 嘉永2年 | 八代目当主に就く。勘定奉行により御用達を請けたまわり徳川五人衆となり、徳川幕府に莫大な御用金を納める。 |
明治・大正・昭和時代
西暦(年) | 年号 | できごと |
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1904 | 明治37年 | 日露戦争の鰹節の供給を一手に引き受ける。 |
1918 | 大正7年 | 個人商店の「伊勢屋伊兵衛」から、法人組織の「株式会社髙津商店」 (資本金100万円)となる。 |
1941 | 昭和16年 | 十一代目が、日本鰹節類統制株式会社社長を兼任する。 |
1944 | 昭和19年 | 戦災により店舗を焼失する。 |
1948 | 昭和23年 | 社名を株式会社にんべんに変更する。 |
1960 | 昭和35年 | 貿易業務を開始する。 |
1964 | 昭和39年 | 「つゆの素」を開発し発売する。 |
1969 | 昭和44年 | 創業270周年。かつおぶし削りぶし「フレッシュパック」を業界に先駆けて発売する。 |
1972 | 昭和47年 | 「フレッシュパック」が大ヒットする。 |
1973 | 昭和48年 | 十二代目髙津伊兵衛を襲名する。本社ビルが完成する。 |
1979 | 昭和54年 | 創業280周年。第18回農林水産祭・水産部門において「天皇杯」を受賞する。 |
平成・令和時代
西暦(年) | 年号 | できごと |
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1997 | 平成9年 | 第46回全国水産加工たべもの展で、「本枯鰹節フレッシュパック」が農林水産大臣賞を受賞する。 |
2003 | 平成15年 | ISO9001:2000-HACCPを取得(2003年11月7日)。 |
2009 | 平成21年 | 創業310周年、 代表取締役社長に髙津克幸が就任する。 |
2010 | 平成22年 | コレド室町内に本店を移転する。一汁一飯がコンセプトの「日本橋だし場」を始める。 |
2014 | 平成26年 | 創業315周年、日本橋室町一丁目に本社を移転する。 コレド室町2に飲食事業「日本橋だし場 はなれ」をオープンする。 |
2019 | 令和元年 | 創業320周年を迎える。エキュート品川に弁当専門店「日本橋だし場 OBENTO」をオープンする。 |
2020 | 令和2年 | 十三代髙津伊兵衛を襲名する。惣菜専門店「一汁旬菜 日本橋だし場」をCIAL横浜、西武池袋本店にオープンする。 |
2021 | 令和3年 | ニュウマン新宿エキナカに「一汁旬菜 日本橋だし場」をオープンする。 |
2022 | 令和4年 | 二子玉川ライズ 東急フードショー、松坂屋上野店、ラゾーナ川崎プラザに「一汁旬菜 日本橋だし場」をオープンする。 |