鰹節のプロがこっそり教える削り方
あなたは本物の鰹節を、削り器で削ったことがありますか? 昔から料亭などでは「鰹節はお客様の顔を見てから削れ」と言われてきたほど、鰹節は削り立てが一番美味しいものです。このページでは、鰹節のプロが、上手な鰹節の削り方のコツをお教えします。時間にゆとりがあるときは、ぜひ、削り器で削ってみてください。きっと、手間をかけただけの感動が得られるはずです。
半年以上かけ、1本1本
丁寧に仕上げた鰹節本節とは?
ステップ1. カビをとる
乾いたふきんかペーパータオルなどで、鰹節の表面のカビを拭き取ります。鰹節は濡れると品質が劣化して、長期保管が出来なくなるので注意が必要です。濡れぶきんなどは絶対に使用しないでください。
ステップ2. 削り器の刃の調整
削り器の鉋〈かんな〉の台座を木槌〈きづち〉などで軽くたたいて、刃を調整します。上部をたたくと刃が引っ込み(写真1)、下部をたたくと刃が出ます(写真2)。指先で刃を触ってみて、紙1枚くらい分触れるぐらいが目安です。実際に削りながら、薄く削れるように調整しましょう。刃を引っ込めた状態から調整を始めるのがコツです。刃先を触るときは、必ず刃先に対して直角に指を当ててください(写真3)。平行に動かすと指を切る恐れがありますので、ご注意ください。
ステップ3. 鰹節を削る向き
鰹節には目があります。逆向き(逆目)に削ると、粉になってしまいます。ここでは前に押して削るときの説明をします。削り器の刃先を自分の方に向けて、鰹節の尾側を先に向け頭側から削ります。頭側と尾側の見分け方は、写真を参考にしてください。皮が残してある方が尾側です。
ステップ4. 鰹節の削り方
鰹節の頭の方から削っていきますが、このときに、頭側の斜めの部分を台座にあてがうと、尾側が斜め上を向いた状態になって力を入れやすく、鰹節が小さくなっても握りやすくなります(写真1)。3/4くらいの大きさまでは押して削り、それより小さくなったら引いて削る方法もあります。引いて削る場合は、削り器と鰹節を180度回転させてください(押すか引くかの違いだけで、削る面は同じです)。
ステップ5. 保管方法
鰹節はラップで包むか、ポリ袋(チャック付)に入れて冷蔵庫で保管します。裸で冷蔵庫に入れると乾燥してしまい、削ると粉になりやすくなります。削り器は、受け箱や刃回りの溝に粉が残っていますので、よく掃除してから、湿気のない場所で保管してください。
半年の時間をかけて、一本一本丁寧に仕上げた鰹節本節
にんべんの鰹節は、江戸時代から受け継がれた熟練の技と、伝統的な製法で作られた国内製造の「本枯鰹節」です。本枯鰹節は原料となるカツオを、身卸し、煮熟、焙乾、表面削り、さらにカビ付けと天日干しの最終工程を4回以上繰り返して完成します。じっくりと日数をかけて、丁寧に仕上げられた鰹節だけが本枯鰹節と呼ばれる鰹節となるのです。
鰹節は勝男節とも呼ばれ、古くから縁起の良い贈り物と引き出物や内祝い、お中元などに幅広く活用されています。鰹節本節は、日本橋本店やにんべんネットショップでご購入いただけますので、ご自宅用や贈答用にぜひご活用ください。
半年以上かけ、1本1本
丁寧に仕上げた鰹節本節とは?