にんべんとは 体験型店舗の取り組み

にんべんは鰹節専門店として全国のスーパーなどで商品を販売しています。しかしその一方で、来店したお客様に商品を直接ご購入いただく、江戸時代から続く小売店として基本の商いも大切にしています。近年は「日本橋だし場(NIHONBASHI DASHI BAR)」を中心に、だしをより身近な存在に感じてもらえるような体験型店舗を充実させています。

にんべんの新ブランド「日本橋だし場」

にんべん 日本橋本店は2010年に日本橋室町地区再開発事業の一環で、コレド室町1へ移転しました。以前の店舗は、鰹節に関する商品を売ることが中心でしたが、移転にあたっては、様々な体験を通して鰹節について学べ、本物のだしを味わえる場にしようという考えのもと、ゼロから店舗を設計しました。

そこで生まれたのが、一汁一飯をコンセプトに、削りたての本枯鰹節や本枯鰹節のだしを使った料理をテイクアウト中心で提供する「日本橋だし場」です。鰹節だしの新しい魅力を伝えるために、和食だけにとらわれず、ポタージュやシチューなどの洋風メニューと掛け合わせたメニューも用意しています。

メニューのほかにも、鰹節の削り加工を見学できる削り場や、自ら鰹節削り体験ができるスペースを設け、総合的に鰹節を楽しむことができます。

そして「日本橋だし場」の目玉は、1杯100円の「かつお節だし」です。だしをドリンクとして飲むという、これまでにはなかったスタイルでの提案はオープン当初から反響があり、2019年12月20日(金)には累計96万杯販売を達成いたしました。

日本橋だし場およびにんべん日本橋本店は、今後も新しい切り口で鰹節を知ることができる体験型店舗として進化し続けます。

日本橋だし場の新業態

現在、にんべんは「日本橋だし場」を発展させて「日本橋だし場 Drip」や「日本橋だし場 はなれ」などの新しい業態の店舗を運営しています。それぞれの店舗の取り組みから得た知見を横断的に活用することで、だしの可能性に挑戦し、だしの持つ面白さを発信していきます。

日本橋だし場 Drip

「日本橋だし場」では鰹節を寸胴鍋に入れて引いただしを提供していますが、「日本橋だし場 Drip」では注文を受けてから鰹節を削って一杯ずつだしを引いているため、特別感のあるだしを体験できます。

また、だしに野菜を混ぜ合わせた「だしスムージー」も提供しています。これは日本料理の「すり流し」から着想を得たもので、野菜を色ごとに分け、同系色のもの同士を組み合わせてスムージーにしています。

日本橋だし場 はなれ

2014年にコレド室町2にオープンしました。コレド室町1にある「日本橋だし場」の奥座敷・はなれという意味で「日本橋だし場 はなれ」というネーミングとなっています。一汁三菜をコンセプトにオープンした「日本橋だし場 はなれ」は、本物の鰹節やだしをカジュアルに味わえるレストランで、様々なランチやディナーを提供しています。

また「はなれ」には、従来の和食にとらわれない、洋食やエスニックなどの「はなれ技のようなメニューを提供する」という意味も込めています。期間限定で料理人とコレボレーションしたメニュー企画なども行っており、過去にはにんべん公式だしアンバサダーでもある速水もこみちさん監修のメニューが登場しました。

日本橋だし場 OBENTO

「日本橋だし場」で販売していた弁当が好評であったことをきっかけとして、2019年に弁当・惣菜専門店の「日本橋だし場 OBENTO」をオープンしました。弁当はだしを効かせたおかずに加え、本枯鰹節だしで炊いただし炊き込みご飯を使っているのが特徴です。

現在は品川や渋谷といった多くの人が集まる地域に出店しており、手軽に購入して食べられる弁当や惣菜という形で「だしの魅力」を発信しています。

一汁旬菜 日本橋だし場

「日本橋だし場 OBENTO」からさらに発展して誕生したのが惣菜専門店「一汁旬菜 日本橋だし場」です。和食だけにとらわれず、だしの美味しさを活かした惣菜を幅広く取り揃えたデリカッセンスタイルの店舗です。

主菜・副菜に加え、汁物的な位置付けの惣菜を取り揃え、さまざまなアイテムを提案しています。惣菜は他店のものと組み合わせて楽しみたい需要も多いので、メニューの一部では量り売りを導入しています。

鰹節の美味しさに挑む「日本橋だし場」

「日本橋だし場」ブランドは、「にんべん」のブランドを付与する商品やサービスとは異なる位置づけとなっています。

従来の「にんべん」ブランドは、これまで鰹節専門店として培ってきた「暖簾」「安心・安全」「信用」を裏打ちするブランドとして、主に家庭内での調理や食卓シーンでの運用をしてきました。

一方で「日本橋だし場」ブランドは、飲食や惣菜事業をはじめとする、すぐ食べられる料理を提供するにんべんの新しい取り組みに対して適用し、「革新」「進化」「挑戦」といったメッセージを担うブランドとして運用していきます。

「日本橋だし場」のメッセージを発信していくために、各店舗は鰹節を使った新しい料理を積極的に開発しています。

「日本橋だし場 はなれ」では、オーソドックスな和食メニューをきちんと用意することに加えて、エスニック的な要素を取り入れた創作料理を提案しています。定番のメニューは揚げた山芋に本枯鰹節の削りをたっぷりとかけた「山芋フライ」で、一般的なフライドポテトとは異なる和のテイストが漂う一品です。

  • 和食メニューイメージ
    和食メニューイメージ
  • 定番メニューの「山芋フライ」
    定番メニューの「山芋フライ」

また、期間限定で料理人とのコラボレーションメニューの企画も行っており、過去には京都吉兆の徳岡邦夫総料理長、にんべん公式だしアンバサダーでもある速水もこみちさんにも協力していただきました。コラボレーションで生まれた料理の中でも「だし香る担々麺」は特に人気で、提供期間の延長やリバイバルメニューとしての再登場も果たしました。

「一汁旬菜 日本橋だし場」ではだしの提案を新たな角度から見直し、江戸時代の料理「たまごふわふわ」を現代風にアレンジした「だしつるり 玉子ふわふわ茶碗蒸し」を販売しています。軟らかく仕上げた茶碗蒸しの上にふわふわに泡立てた卵白をのせたもので、汁物と茶碗蒸しの中間にあたる質感の料理です。持ち歩いてもこぼれないため、「持って歩ける汁物」というコンセプトが設定されています。

このようにさまざまな業態を持つことで、惣菜店で人気のアイテムをレストランのメニューに活かすなど、店舗を横断した取り組みが可能になりました。また、仕入れや半製品の共通化によるコストやオペレーションの軽減効果にも期待しています。

「日本橋だし場」や飲食事業のおかげで以前よりも新しい提案やチャレンジがしやすくなった環境を味方に、にんべんはこれからも新たな事業展開を活かしながらだしの可能性に挑戦し、革新的な美味しさを生み出していきます。